研究環境現状確認2026

開発環境現状確認の記事 [1, 2, 3] を読んで面白いなと思ったので、自身の研究環境の現状確認をしてみます。

前提

  • 機械学習人工知能分野の研究をしています。
  • 手元のPCは macOS で、実験用のサーバは Ubuntu です。
  • 契約しているAIは ChatGPT Business です。
    • 入力したデータがモデルの学習に使われないプランです。

サーベイ

  • 研究テーマを決めるための幅広いサーベイと、研究テーマを決めた後に詳しく調べるためのサーベイをしています。
    • まずは NeurIPSICMLICLR の採択論文から、興味のあるキーワード (例えば「diffusion model」等) で検索して読む論文を決めています。
    • その中で面白いと思った論文があったら、「その論文が引用している論文」や、「その論文を引用している論文」を調べる形で関連論文を読んでいきます。
  • 論文を読む時は一旦 ChatGPT に丸投げして要約してもらいます。要約を読んで面白いなと思ったら、気になることを質問しながらちゃんと読んでいきます。
    • 論文は背景知識や式の導出が記載されていないことが多いので、AIに解説してもらったほうが手早く読めると感じています。
  • 論文の管理は Apple Books を利用しています。
    • 以前は Mendeley を利用していのですが、PDFを同期出来ればいいので Apple Books に移行しました。

テーマ設定

  • サーベイを通して面白そうなテーマが浮かんだら、ChatGPT に相談しながら具体的に検討していきます。
    • 私の場合はアルゴリズムの改善を行うことが多いのですが、その改善が ChatGPT によって簡単に導出できないものである方が好ましいと思っています。
    • その方が査読者にとっても目新しく、高いスコアが期待できるからです。
    • 逆に改善されたアルゴリズムの理論的な保証 (汎化誤差解析など) は ChatGPT を使い倒します。自分ひとりでは出来ないので...
  • この過程で考えた数式は LaTeXGUIエディタである LyX にメモしています。
    • 論文を書く時は、数式はこのメモからコピペします。

論文執筆

  • エディタは vscode を用いています。拡張機能は誤字防止用に Code Spell Checker をインストールしています。
  • バージョン管理は git で行っており、GitHub Enterprise 上にリポジトリを作成しています。
  • このリポジトリOverleaf と連携させており、共著者の方からコメントを頂く時は Overleaf に書いてもらっています。
  • 日本語で書いて ChatGPT を使って英訳しています。
    • 以前は有料版の DeepL を使っていましたが、最近は ChatGPT をメインで使っています。
  • また、定期的に Codex CLI で論文全体を読み込んで、改善点を指摘してもらっています。

スライド作成

  • PowerPoint です。数式を貼る時は LaTeXiTLaTeX で書いた数式をPDF化してから画像として貼っています。
    • さすがにもっと良い方法がありそう。

査読

  • 2026年1月時点では、ほとんどの会議で論文の査読にAIを使うことが禁じられているので、頑張って読んでレビューを書いています。
    • 年30本くらいは査読をしているので正直しんどいです。
  • ICML2026ではレビューにAIを使うことを許可できる ようになるようなので、状況は変わっていきそうです。
    • 機械学習分野は投稿数が指数的に増加しており、査読者の確保に苦労しているので、部分的にAIの利用が緩和されると予想しています。
    • 個人的には投稿論文を読み込むのにはAIを使っても良いのかなと思います。レビュー自体をAIに書かせるのには反対です。

コーディング

  • Python の環境構築には uv を利用しています。
    • 必要なパッケージと iPython を uv 経由でインストールしています。
  • macOS では homebrew 経由で ruffisortmypy をインストールしています。
    • isort は ruff があるのでいらない気もします。
    • mypy はちょっと遅いので ty などに移行するかもしれません。
  • システムの Python を汚染したくないので、pyenv 経由で miniforge をインストールしています。
    • macOS では基本的には使っていないです。実験サーバ上ではパッケージマネージャとして利用しています (後述)。
  • IDEには PyCharm を利用しています。簡単なコードは vscode で書くこともあります。
  • ターミナルエミュレータiTerm2 を利用しています。
  • 論文と同様に、GitHub Enterprise 上にリポジトリを作成してバージョン管理を行っています。
  • 基本的には ChatGPT に聞きながらコーディングしています。まだコーディングエージェントを使いこなせていません。
    • 特に便利だなと思ったのは、リバッタル時にレビュアーに「この手法と比較しろ!」と言われたときに、ChatGPT に実装してもらえることです。かなり楽になりました。
  • Git のクライアントは GitHub Desktopgh を使っています。vscode の git extension を使うこともあります。コミット時のコメントの自動生成が便利です。

実験環境

  • 社内のGPUクラスタ産総研ABCI を利用しています。
  • 基本的にroot権限がないので、root権限のいらないパッケージマネージャとして conda を使っています。
    • macOS と同様に、pyenv 経由で miniforge をインストールしています。
    • インストールしているのは git、gh、jq、uv、qsv あたりです。
  • Python の環境構築には macOS と同様に uv を利用しています。
    • 以前はコンテナを利用していましたが、uv のほうが手軽にデバッグ出来るので移行しました。

日記

  • 研究日誌というほど大げさなものではないですが、入社してから日記を欠かさず書いています。
    • 元々は出張の多いメンターの方に進捗を共有するために始めたのですが、習慣となってしまい惰性で続けています。
    • 以前は社内で日記を公開する文化があってみんなで読みあっていたのですが、すっかり廃れてしまいました。
  • 仕事のことは全て書くようにしています。プライベートのことも多少書いています。
  • 最近はコーディングエージェントがあるので、Codex CLI などにフォルダ全体を読み込ませて、要約させたりしています。
    • とにかく文章として残しておくと役に立つものだなと思いました。

まとめ

  • 今年はコーディングエージェントを使いこなせるようになりたいです。